GⅠレース特集

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第31回寛仁親王牌世界選手権記念

優勝者:新田祐大 選手(福島県・90期)


10月20日から前橋競輪場で開催されたGⅠ『第31回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント』。今年のGⅠは残すところあと2つ。グランプリ争いに大きく影響を与える秋の大一番が始まりました!

今年も全プロ(全日本プロ選手権自転車競技大会)が中止となり、初日に行われる「日本競輪選手会理事長杯」は前年グランプリメンバーで争われました。グランプリを制したのは古性選手でしたが、理事長杯は松浦悠士選手の番手から清水裕友選手が抜け出し1着。理事長杯上位5名、初日の特別選抜予選2レースから2名が優秀競走ローズカップへと進みました。

前橋33バンクでの目まぐるしいレース展開、そしてハイスピードなレースは波乱の連続。特にAとBに分かれた2次予選は、勝ち上がりがより厳しいBでは3連単すべて万車券決着、一方でAはS班がしっかりと人気に応え、落ち着いた配当となったのが印象的でした。

準決勝戦はさらに激戦となり、S班選手の敗退、またタテにヨコに激しいレースとなり、一瞬たりとも目が離せない戦いとなりました。

そんな厳しいレースの中、決勝戦への勝ち上がりを決めたメンバーは以下の9名。


1古性優作(大阪)

2平原康多(埼玉)

3守澤太志(秋田)

4小松崎大地(福島)

5松浦悠士(広島)

6井上昌己(長崎)

7吉田拓矢(茨城)

8稲川翔(大阪)

9新田祐大(福島)


号砲がなってスタートを平原選手、小松崎選手、そして井上選手が取りに行きましたが、2番車平原選手がとり、関東勢が前からの組み立てとなりました。


隊列は

7 2 5 6 1 8 9 4 3

で落ち着きました。


残り3周から新田選手が上昇し、2周半で誘導が退避、新田選手が先頭に出ました。前受けした関東勢は4番手に引き、そこを後方になった古性選手がさらに叩いて残り2周で先頭に変わります。

松浦選手にすくわれ後方8番手になってしまった吉田選手は打鐘めがけてカマシを打ちましたが、前で古性選手もペースアップ。吉田選手は先行した古性選手ラインの後ろ、3番手の車間が空いた所に一度おさまる形となりました。

残り1周で松浦選手も巻き返しを図り5番手まで上昇、新田選手をどがして内へ切り込みます。

最終2コーナー、3番手から吉田選手が捲りを打ったのですが車の出は悪く、古性選手の番手稲川選手にあわされてしまいました。

先頭は逃げた古性選手のまま2センターを通過。大外を最後方から守澤選手が捲りを打ち、また稲川選手が吉田選手をブロックした内に松浦選手、さらにその内に新田選手と内外広がって最後の直線へ。

最内をすくった新田選手、大外を捲った守澤選手が直線抜け出しゴール勝負。


その差4分の1車輪。勝ったのは新田選手でした。


新田選手はこれで史上4人目のグランドスラム達成!

初めてGⅠ決勝戦に乗ったのはこの前橋競輪、寛仁親王牌の舞台でした。そこから11回毎年のように出場を重ね、内7回決勝戦に進出しています。2018年からはグランドスラムという偉業達成のプレッシャーを感じながらその夢を追い続けてきました。

また今年は怪我もあり思うような走りができず、そんなたくさんの苦しさもどかしさの中、やっと掴んだ悲願の寛仁親王牌のタイトル。

優勝インタビューでは言葉に詰まり感極まる姿もありました。


新田選手が3年ぶりにGⅠタイトル獲得し、古性選手、脇本選手に続いて3人目のKEIRINグランプリ2022の出場権を獲得!

残るGⅠは11月の競輪祭。いよいよKEIRINグランプリ2022に向けた争いも佳境を迎えていきます!


記事:木三原さくら