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第40回読売新聞社杯全日本選抜競輪
優勝者:脇本雄太 選手(福井県・94期)
2月21日から4日間にわたって2025年最初のGⅠ『第40回読売新聞社杯全日本選抜競輪』が豊橋競輪場で行われました。
連日豊橋競輪場ならではの冬の強い風が吹き、また2日目には雪が降りつけるなど、厳しいバンクコンディションの中、各地区から選ばれた選手たちがハイレベルな激戦を繰り広げました。
その中でGⅠの舞台での層の厚さを見せたのは近畿勢。出場した16名の内準決勝進出を12名が決め、さらに決勝には6名が勝ち上がってきました。
以下の9名で行われた決勝戦。
1古性優作(大坂)
2吉田拓矢(茨城)
3深谷知広(静岡)
4南修二(大阪)
5眞杉匠(栃木)
6村田雅一(兵庫)
7寺崎浩平(福井)
8三谷将太(奈良)
9脇本雄太(福井)
近畿勢は大阪兵庫と福井奈良に分かれ、3分戦に単騎という構成になった決勝戦。スタートは①②⑦の3名が上昇し、関東ラインが前受け。
の位置どりで周回を重ねていきます。
残り2周で①古性選手が上昇。それを前で突っ張る⑤眞杉選手。①古性選手のラインは中団に収まり、⑦寺崎選手のラインは後方6番手に引いて打鐘を迎えました。そのまま⑤眞杉選手の先行となりむかえた残り1周。最後方だった③深谷選手がうちをすくって6番手まで上昇、7番手まで引いた⑦寺崎選手は2コーナーあたりから捲りを仕掛けますが、前段で⑤眞杉選手の番手から②吉田選手も縦に踏み、それによって3番手から捲っていた①古性選手は浮いて苦しい展開に。
4コーナー先頭で回ってきたのは②吉田選手でしたが、外粘り強く⑦寺崎選手も踏み、さらにその外を⑦寺崎選手をマークしていた⑨脇本選手が追い込み1着ゴール。2着に⑦寺崎選手、3着には単騎③深谷選手という結果になりました。
脇本選手はこれでGⅠグランドスラムを達成。またグランプリも優勝していることから『グランプリスラム』も達成し、競輪選手初の偉業達成となりました。
2025年の幕開けのGⅠを制した脇本雄太選手。また寺崎選手も2着に入ったということで賞金ランキングとして好スタートを決める結果となりました。
記事:木三原さくら
第79回日本選手権競輪
優勝者:吉田拓矢 選手(茨城県・107期)
ゴールデンウィーク真っ只中、4月29日から5月4日までの6日間、GⅠ『第79回日本選手権競輪』が行われました。
競輪界最高峰のGⅠ。ダービー王の称号はもちろんのこと、今年から賞金もさらに上がり、グランプリ出場に向けての賞金ランキングにも大きな影響を与えるこの開催。勝ち上がりの中では前回GⅠ全日本選抜競輪を優勝した脇本雄太選手が2次予選で敗退するなど波乱も多くありました。
6日目の決勝戦に勝ち上がってきたのは
1古性優作(大阪)
2新山響平(青森)
3眞杉匠(栃木)
4浅井康太(三重)
5岩本俊介(千葉)
6阿部力也(宮城)
7松井宏佑(神奈川)
8菅田壱道(宮城)
9吉田拓矢(茨城)
の9人。前回GⅠで6名の勝ち上がりを決めていた近畿勢は古性選手のみ。一方で前回に続いてGⅠ決勝を決めてきた関東両名は安定感を感じさせました。
と細かくなったライン構成。
スタートは最内①古性選手は様子を見ながら出て、外枠から⑥阿部選手⑧菅田選手が前を追っていき、結果②新山選手のラインがとり北日本が前受け、その後ろに①古性選手、5番手に関東、7番手に④浅井選手、後方に南関東ラインという位置どりとなりました。
残り2周半から⑦松井選手が新山選手をおさえにいくも、②新山選手がそれをあわせて2周から突っ張って前に出ました。打鐘あたりまでは後ろの様子を見ながらそのまま突っ張り先行。別線の仕掛けなく1本棒のまま最終バックへ、5番手で前と車間を開けた③眞杉選手が捲りをうち、⑦新山選手の番手から⑧菅田選手も縦に踏もうとしたのですが、③眞杉選手に出られた際接触し落車。捲った③眞杉選手、その番手から⑨吉田選手が追い込み③眞杉選手をとらえて優勝。見事ダービー王の称号を手にしました。
吉田選手は2021年の競輪祭以来2度目のG1タイトル。連携した眞杉選手とはどちらが前でも力を発揮し合えるだけに新しい関東の「ゴールデンコンビ」と呼ばれるようになってきました。またその眞杉選手もダービー2着で賞金ランキング3位に。グランプリへ向けて大きな弾みとなりました。
そしてこの大会を最後に昨年のダービー王平原康多さんが引退を発表。関東だけでなく、競輪界を引っ張ってきた平原さんの引退は大きな衝撃を与え、時代の移り変わりを感じさせました。
残るタイトルはあと4つ。平塚グランプリに向けた戦いはまだまだ続いていきます。
記事:木三原さくら
第76回高松宮記念杯競輪
優勝者:脇本雄太 選手(福井県・94期)
『雨の宮杯』と呼ばれるように、毎年梅雨時期に行われる高松宮記念杯競輪。76回をむかえた今年は梅雨の気配すらない夏のような暑さの中、岸和田競輪場で行われました。
東西に分かれて予選競走が行われるこの開催では、普段はラインを組む同地区の選手でも分かれて戦うレースもあり、いつもと違う選手たちの走りに興奮と波乱の連続でした。
2日間の1次予選から2次予選と青龍賞と白虎賞の優秀競走、東西それぞれ2つずつの準決勝を経て、決勝進出を決めたのは以下の9名。
1古性優作(大阪)
2深谷知広(静岡)
3清水裕友(山口)
4太田海也(岡山)
5郡司浩平(神奈川)
6末木浩二(山梨)
7脇本雄太(福井)
8松谷秀幸(神奈川)
9寺崎浩平(福井)
スタートは④太田選手が自ら動いて前受け。近畿3車が中団、南関東が6番手、単騎⑥末木選手は最後方で周回を重ねていきます。
残り2周で6番手から動いた②深谷選手を前受けの④太田選手が突っ張り、踏み合う展開に。④太田選手が②深谷選手を牽制し突っ張り切ったところで打鐘めがけて⑨寺崎選手率いる近畿ラインが一気に仕掛けて3車で出切りました。
かましが決まった近畿ラインの番手⑦脇本選手が最終バックから捲りを打ち、後ろにいた古性選手をもふりきり完全優勝で高松宮記念杯競輪を制し、今年2つ目のGⅠタイトルを獲得しました。
自身4度目となるGⅠ完全優勝を決めた脇本選手。日本選手権競輪では影を潜めた近畿の結束力が、地元地区のGⅠでしっかりと発揮される結果となりました。
一方で郡司選手が今年初のGⅠ決勝進出を果たし、地元地区でのグランプリに向けて南関東勢も気配を見せ、またナショナルチームとの両立で出場機会が限られる中でも太田海也選手が勝ち上がりから積極的なレースでの強さを見せるなど、他地区の選手たちの活躍も見受けられました。
3つのGⅠが終わり、タイトルをとってグランプリ出場を決めているのは脇本選手と吉田選手の2名。グランプリ出場権を求めて、選手たちの戦いはより一層熱を帯びてゆきます。
記事:木三原さくら
第68回オールスター競輪
優勝者:寺崎浩平 選手(福井県・117期)
今年からオールスター競輪の中で行われていたガールズケイリンが女子オールスター競輪GⅠとして独立した認め、オール男子選手で行われる6日間の戦い。『第68回オールスター競輪』が函館競輪場で行われました。
ファン投票で選ばれた選手たち。今年の1位は古性優作選手でしたが、7月のサマーナイトフェスティバルで落車し、怪我からの復帰戦。「ファン投票1位だから…」と前検日には厳しい表情で取材に答える姿がありました。ファンの思いを背負い選手たちが走る特別な大会であることを改めて感じたシーンでした。
決勝戦は以下の9名。
1古性優作(大阪)
2太田海也(岡山)
3吉田拓矢(茨城)
4南修二(大阪)
5松本貴治(愛媛)
6佐藤礼文(茨城)
7寺崎浩平(福井)
8岩津裕介(岡山)
9脇本雄太(福井)
注目は4車勝ち上がった近畿勢の並び。これまで先頭で風を切っていた寺崎選手が脇本選手の番手を周り、そして3番手以降を古性選手、南選手がかためる形に。寺崎選手の初タイトルに向けた最強の布陣が整っているように見えました。
スタートを①古性選手が出て近畿は前受け、また⑥佐藤選手も取りに行き関東が中団、単騎の⑤松本選手が7番手に入り、②太田選手の岡山2車は8番手からの位置どりとなりました。
残り2周半あたりで後方から②太田選手が上昇を始めましたが、赤板で⑨脇本選手が突っ張りました。ただ、3番手①古性選手が後退してきた②太田選手を迂回する形となり、近畿の隊列は一瞬乱れます。しかし、⑨脇本選手がそれを待ち、また①古性選手もしっかり追い上げ再度4車で連携、そこに⑤松本選手、③吉田選手の関東勢も続いてきたため、②太田選手は打鐘からホームにかけてで後方まで下げさせられる展開となりました。その間に⑨脇本選手は力強く先行。2コーナーから捲り仕掛けた③吉田選手でしたが、⑨脇本選手の番手から⑦寺崎選手が捲りを打ちそのままゴール。GⅠ初優勝を決めました。
近畿勢は脇本選手に続き、今年2人目のタイトルホルダーを輩出。またタイトルはないものの、ここまでのGⅠで全て決勝進出し、内3つの開催で確定板に入っている古性選手も賞金ランキングで2位につけ、安定した成績を残しています。そして南選手もこの3着でランキング圏外から8位まで大きく順位を上げてきました。残るタイトルはあと2つ。このまま近畿勢の勢いが続くのか、はたまた他地区の追い上げがあるのか、目が離せません!
記事:木三原さくら
第34回寛仁親王牌世界選手権記念
優勝者:嘉永泰斗 選手(熊本県・113期)
10月23日から4日間、前橋競輪場でGⅠ『第34回寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント』が行われました。
全日本プロ選手権自転車競技大会(通称全プロ)の成績優秀者が理事長杯や特別選抜予選を走ることができ、競技での活躍から出場権を得られる他のGⅠとはまた違った特性を持つこの大会。
今年の舞台は前橋競輪場。1周335メートル、また壁のように立つカントが生むスピードレースは後方に置かれた選手の巻き返しを阻む、先行有利なバンクとなっています。
初日から波乱のレースが続きました。最終レースの理事長杯では郡司浩平選手の失格があり、またその際落車した松浦悠士選手は翌日当日欠場。
そして開催3日目の準決勝に出場予定だった脇本雄太選手が練習中の怪我で当日欠場するなど、現S班選手の思わぬ脱落が相次ぎました。
波乱の勝ち上がりを経て決勝進出を決めたのは以下の9名。
1古性優作(大阪)
2吉田拓矢(茨城)
3清水裕友(山口)
4小倉竜二(徳島)
5嘉永泰斗(熊本)
6恩田淳平(群馬)
7松本貴治(愛媛)
8河端朋之(岡山)
9犬伏湧也(徳島)
ラインは①/②⑥/③⑧/⑨⑦④/⑤と分かれていました。号砲が鳴り、スタートをとりに動いたのは⑦松本選手で隊列は
で落ち着きます。
残り2周半7番手から上昇した②吉田選手に、⑨犬伏選手は引きました。
関東勢に単騎⑤嘉永選手①古性選手が続き、さらに③清水選手の中国ラインも乗っていきました。
前受けから⑨犬伏選手は7番手まで引き残り2周。
誘導員も残りペースはまだ上がらずスローな中、打鐘手前から②吉田選手が先行体制に。
中団の③清水選手も⑨犬伏選手も仕掛けようという絶妙なタイミングで先行した吉田選手。
そのまま1本棒で最終ホームを過ぎ、5番手から③清水選手が捲りを打ちましたが3番手にいた⑤嘉永選手が2コーナーから先捲り。
先行の番手⑥恩田選手の牽制も間に合わず、②吉田選手を捲り切ってGⅠ初優勝を決めました。
このレースが初めてのGⅠ決勝だった嘉永選手。単騎ながらにしっかりと自力を出してチャンスをものにしました。
また一つ年末の平塚競輪に向けての席が埋まりました。また2着に松本貴治選手入り賞金ランキングでも10位までジャンプアップ。残るGⅠは1つ。熾烈な争いに目が離せません。
記事:木三原さくら
第67回朝日新聞社杯競輪祭
開催期間:11月19日~11月24日(小倉競輪場)
※記事は後日掲載予定です。
2022年最後のGⅠ『第67回朝日新聞社杯競輪祭』が競輪誕生の地、福岡県小倉競輪場で開催されました!
賞金ランキング上位4位まではすでに1億円超え、そしてボーダーにいる9位の選手も7千万を超える獲得賞金と高額で熾烈な争いとなった今年のグランプリ争い。初日から3日間行われたポイント制の一次予選を勝ち上がった選手の中から、ポイント上位9名が優秀競走『ダイヤモンドレース』を経て準決勝へ、その他54名が二次予選AとBに分かれて準決勝進出を目指しました
その二次予選では今年2つのGⅠタイトルを獲得している脇本雄太選手や古性優作選手、S班佐藤慎太郎選手が敗退。また、優秀競走ダイヤモンドレースでの失格や落車もあり波乱の4日目となりました。
その波乱の中ツキを掴んだのは福島の成田和也選手。2次予選繰り上がって準決勝進出。5日目10R準決勝戦では、同県の新田祐大選手をマークし、落車のアクシデントを避け二人で勝ち上がりを決めています。またレースで1着となったのは佐賀の荒井崇博選手。残り1周3番手に位置し、前が牽制で膨れたところをインから捲って単騎で1着を勝ち取りました。
また準決勝2つ目の11Rでは青森の新山響平選手が果敢な先行。後方から郡司浩平選手に捲られ1着は逃したものの、連携していた守澤太志選手の援護もあり、このレースからも北日本勢が2名勝ち上がってきました。このレースで賞金ランキング10位に位置していた山田庸平選手は8着で敗退となりました。
準決勝戦最後の12Rは今回の競輪祭でタテにヨコにと更なる進化を見せた栃木の坂井洋選手がS班平原康多選手を連れて突っ張り先行。中段で地元北津留翼選手とS班清水裕友選手が並走となり、清水選手は坂井選手の番手へ追い上げるも平原選手に阻まれ後退。逃げた坂井選手、番手の平原選手、3番手を回っていた神奈川の小原太樹選手もしっかり続いて、ラインで上位独占、決勝進出を決めました。敗退した清水選手は賞金ラインキング9位。決勝の結果を待つ形になりました。
激戦の準決勝を経て最後のチャンスを掴んだ9名は以下の通り。
1平原康多(埼玉)※賞金ランキング7位(当確)
2郡司浩平(神奈川)※賞金ランキング6位(当確)
3新田祐大(福島)※GⅠタイトル獲得(当確)
4新山響平(青森)※優勝でGP出場
5荒井崇博(佐賀)※優勝でGP出場
6小原太樹(神奈川)※優勝でGP出場
7成田和也(福島)※優勝もしくは権利獲得者の優勝時2着で出場
8坂井洋(栃木)※優勝でGP出場
9守澤太志(秋田)※賞金ランキング5位(当確)
注目は北日本の並び。先頭を新田選手が回り、新山選手が番手。そして守澤選手、成田選手と続くこの4車の思惑、そしてそれに別線がどう対応していくのかがレースの鍵となりそうでした。
号砲から内枠3人で前の取り合いに。それは1周近く続き、2周回目に入るところで前は平原選手が取り切り、郡司選手が中団、新田選手は引いた後方からの組み立てとなりました。
隊列は
で落ち着きます。
残り2周を迎え、各ラインが前との車間を開け始め互いの動きを見合います。1センターから2コーナーににかけて6番手から新田選手が一気に仕掛けていきました。前にいた坂井選手も加速し応戦。残り1周で新田選手が一車前に出て、坂井選手と新山選手が並走に。3番手も守澤選手と平原選手でさばき合いとなりましたがそこは守澤選手に軍配があがりました。
最終2コーナー、新田選手の番手から新山選手が捲りを打ちます。その後ろは車間が空き、後方から郡司選手も捲ってきました。守澤選手の牽制を乗り越え郡司選手は新山選手を追いかけましたがとらえることはできず、そのまま新山選手がゴールまで後続を振り切って見事GⅠ初タイトルを獲得しました。
昨年は目前のところで同期吉田拓矢選手に優勝を奪われ2着だった新山選手。今年は強力なラインの力によって念願のGⅠ優勝を果たしました。しかしいつもラインの先頭に立ち、北日本を引っ張ってきた新山選手だからこそこの並びが実現したと思うと、先行選手としての新山選手のこれまでの努力の結果が実を結んだと言えるでしょう。
これでグランプリには北日本が4人!年末の平塚でどんなレースが見られるのか、ここからの1か月、ドキドキが募るばかりです!
記事:木三原さくら