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第64回朝日新聞社杯競輪祭

優勝者:新山響平 選手(青森県・107期)


2022年最後のGⅠ『第64回朝日新聞社杯競輪祭』が競輪誕生の地、福岡県小倉競輪場で開催されました!

賞金ランキング上位4位まではすでに1億円超え、そしてボーダーにいる9位の選手も7千万を超える獲得賞金と高額で熾烈な争いとなった今年のグランプリ争い。初日から3日間行われたポイント制の一次予選を勝ち上がった選手の中から、ポイント上位9名が優秀競走『ダイヤモンドレース』を経て準決勝へ、その他54名が二次予選AとBに分かれて準決勝進出を目指しました

その二次予選では今年2つのGⅠタイトルを獲得している脇本雄太選手や古性優作選手、S班佐藤慎太郎選手が敗退。また、優秀競走ダイヤモンドレースでの失格や落車もあり波乱の4日目となりました。

その波乱の中ツキを掴んだのは福島の成田和也選手。2次予選繰り上がって準決勝進出。5日目10R準決勝戦では、同県の新田祐大選手をマークし、落車のアクシデントを避け二人で勝ち上がりを決めています。またレースで1着となったのは佐賀の荒井崇博選手。残り1周3番手に位置し、前が牽制で膨れたところをインから捲って単騎で1着を勝ち取りました。

また準決勝2つ目の11Rでは青森の新山響平選手が果敢な先行。後方から郡司浩平選手に捲られ1着は逃したものの、連携していた守澤太志選手の援護もあり、このレースからも北日本勢が2名勝ち上がってきました。このレースで賞金ランキング10位に位置していた山田庸平選手は8着で敗退となりました。

準決勝戦最後の12Rは今回の競輪祭でタテにヨコにと更なる進化を見せた栃木の坂井洋選手がS班平原康多選手を連れて突っ張り先行。中段で地元北津留翼選手とS班清水裕友選手が並走となり、清水選手は坂井選手の番手へ追い上げるも平原選手に阻まれ後退。逃げた坂井選手、番手の平原選手、3番手を回っていた神奈川の小原太樹選手もしっかり続いて、ラインで上位独占、決勝進出を決めました。敗退した清水選手は賞金ラインキング9位。決勝の結果を待つ形になりました。


激戦の準決勝を経て最後のチャンスを掴んだ9名は以下の通り。

1平原康多(埼玉)※賞金ランキング7位(当確)

2郡司浩平(神奈川)※賞金ランキング6位(当確)

3新田祐大(福島)※GⅠタイトル獲得(当確)

4新山響平(青森)※優勝でGP出場

5荒井崇博(佐賀)※優勝でGP出場

6小原太樹(神奈川)※優勝でGP出場

7成田和也(福島)※優勝もしくは権利獲得者の優勝時2着で出場

8坂井洋(栃木)※優勝でGP出場

9守澤太志(秋田)※賞金ランキング5位(当確)


注目は北日本の並び。先頭を新田選手が回り、新山選手が番手。そして守澤選手、成田選手と続くこの4車の思惑、そしてそれに別線がどう対応していくのかがレースの鍵となりそうでした。


号砲から内枠3人で前の取り合いに。それは1周近く続き、2周回目に入るところで前は平原選手が取り切り、郡司選手が中団、新田選手は引いた後方からの組み立てとなりました。


隊列は

8 1 2 6 5 3 4 9 7

で落ち着きます。


残り2周を迎え、各ラインが前との車間を開け始め互いの動きを見合います。1センターから2コーナーににかけて6番手から新田選手が一気に仕掛けていきました。前にいた坂井選手も加速し応戦。残り1周で新田選手が一車前に出て、坂井選手と新山選手が並走に。3番手も守澤選手と平原選手でさばき合いとなりましたがそこは守澤選手に軍配があがりました。

最終2コーナー、新田選手の番手から新山選手が捲りを打ちます。その後ろは車間が空き、後方から郡司選手も捲ってきました。守澤選手の牽制を乗り越え郡司選手は新山選手を追いかけましたがとらえることはできず、そのまま新山選手がゴールまで後続を振り切って見事GⅠ初タイトルを獲得しました。

昨年は目前のところで同期吉田拓矢選手に優勝を奪われ2着だった新山選手。今年は強力なラインの力によって念願のGⅠ優勝を果たしました。しかしいつもラインの先頭に立ち、北日本を引っ張ってきた新山選手だからこそこの並びが実現したと思うと、先行選手としての新山選手のこれまでの努力の結果が実を結んだと言えるでしょう。


これでグランプリには北日本が4人!年末の平塚でどんなレースが見られるのか、ここからの1か月、ドキドキが募るばかりです!


記事:木三原さくら